ジョーイ・バートンさん、リネカーさんを「カエル野郎」呼ばわりし伝説へ

 期せずしてジョーイ・バートン三部作となりました。

 よく「パート2、3はパート1を超えられない」という話があります。しかしジョーイ・バートンさんの一連の騒動における「パート1 ―オン・ザ・ピッチ(vs.テベス&バロテッリ)―」「パート2 オフ・ザ・ピッチ(独白)」「パート3 そして伝説へ(vs.リネカー)」は、回を重ねるごとにクオリティを高めております。

 さながら、「ふっかつのじゅもん」から「ぼうけんのしょ」へと進化を遂げたドラゴンクエスト1→3のごとき長足の進歩。人間性の限界に向け、クラウチングスタートから全力で逆走していくバートンさんの背中は燦然と輝いています。

 今回の件は、時系列的には「2」より少し前の話です。バートンさんのツイートを追いながら「リネカーと何かやっておるな」と思っていたのですが、その背景を少し調べていくと実にアレで取り上げないのはむしろ失礼と思い、謹んで紹介させていただく次第です。

 以下、例によって間違い御免の抄訳にて失礼いたします。

■ウォーミングアップ

 場を温めたのは、例によってバートンさんです。アラン・シアラーさんがバートンさんを批判したことに対し、以下のように反応。

 

 

 

 

→抄訳:アラン・シアラーがまだオレについてグダグダ言ってるのか。まあ確かにアランよ、あんたの言うことは正論さ。オレたち2人とも正論を言ってるが、これだけは言える。あんたは素晴らしいプレイヤーだった。オレよりもすごかったよ。
 ただな、オレはあんたよりもカッコいい髪型してる(というかハゲてねぇ)し、TVに出るときはマシなシャツを着るし、人間的にマトモだぜ。ちっ、くだらねえイヤミだぜ、正直あんたには失望したよ。オヤスミ。

→雑感:プレーへの批判に対して「正論」と持ち上げた後は「オレもあんたも正論」と同格にし、その舌の根も乾かないうちにシームレスに髪の毛や服装への攻撃に移る。この人格攻撃へのためらわなさは、バーリトゥーダーとしての確かな資質を感じます。

 そしてこの炎上物件に手を出したのが、ゲイリー・リネカーさんです。かつて名古屋グランパスエイトで当時の最高年俸3億円を手に2年間のリハビリを経て4得点を記録(1億5000万円/1得点)した後引退する、という離れ業を演じた選手。引退後は解説者として国民的な人気を誇っています。

 しかし上記のなさりようのほか、主にバートンさんから「お前の真の姿を知っているぜ」的なツッコミは受けておられ、いわばチーズチャンピオン的なガードの甘さをお持ちの方でもあります。そんなリネカーさんがバートンさんのなさりように言及したことから、宮田一郎のジョルトカウンターばりの全力反撃を受けております。


■キックオフ

 

→抄訳:小耳に挟んだのだが、@Joey7Bartonがシアラーを批判しているようだ。風当たりが強くなるからって、さらにボヤを起こして大火事の原因を作ったことから目をそらさせようとしてるのかな?

→雑感:この直後、ボヤどころか小爆発に巻き込まれるわけで、ある意味でバートンさんへの批判をそらそうとしたようにすら見えなくもありません。まあ、ナルトを飛ばしている時点でケンカを売る気満々に見えますが!

■バートン 0-0 リネカー

 

→抄訳:んなことするわけねーだろが。だいたい1億人ぐらいが、オレの意見に同意すると思うぜ。単純に奴が嫌いなんだよ。

→雑感:まだ得点は入っておりませんが、バートンさんから鋭いカウンターが飛び出しており、波乱の展開はすぐだと予感させるものがあります。

■バートン 0-1 リネカー

→抄訳:おやおや、まだ怒ってるのかい? まだそこらのものを蹴り散らしてるのかな? そして多分、まだ誤解しているようだね? そんな人間はキミだけだと思うが。

→雑感:どこからどう見ても挑発以外の何ものでもない、ドッグランにフリスビーを投げ込むがごとき的確なエサをエレガントにばらまくところはさすがの手練を感じます。

■バートン 1-1 リネカー

→抄訳:おいおい、また清潔野郎気取りかよ。何かホザく前に、そのカラのクローゼットを確かめたほうがいいぜ。

→雑感:直訳ですが、意訳すると「お前にも秘密があるくせにゴチャゴチャ言うんじゃねえよ」ってところでしょうか。いずれにせよ、先輩後輩関係が強い日本サッカー界では到底考えられないやり取りです。さらにバートンさんは畳み掛けます。

■バートン 2-1 リネカー

→抄訳:あんたの隠したい部分なんて腐るほど知ってるぜ。そんなもん、暴露したところで大して注目もされねえだろうけどさ。せいぜい気取ってろよ。

→雑感:ちなみに、リネカーさんはベッカムがMLS移籍した際に「引退同然とも言える移籍だね。 僕も最後は日本に行って同じようなことをした。日本人にサッカーを広めるのは興味深かったし、金も稼げた」といった主旨の名言を残しており、日本のサッカーファンの一部にはきっちり広まってる感じもしますが、隠す気のないバートンさんとどちらが上等かは議論が必要かと思います。

■バートン 15―1 リネカー

→抄訳:さあ、石の下に帰りやがれこのカエル野郎。

→雑感:ようやくタイトルの話になりますが、とうとう「カエル野郎」呼ばわりです。一応、「ワールドサッカー」誌の選ぶ「20世紀の偉大なサッカー選手100人」で36位だったりするレジェンドをカエル扱い。日本で同じような選手が思い当たるとしたら、森勇介選手が三浦知良選手に「だせえバスローブ着てんじゃねえ」ぐらいの発言をしたと思えばわかりやすいでしょうか。全然違いますでしょうか、申し訳ございません。


 以上を持ちまして、ジョーイ・バートン3部作は晴れて完結を見ました。なお、バートンさんは少なくとも10試合の出場停止処分となりそうで、次回作は10月半ばぐらい、恐らくQPR以外のチームで披露されそうです。

 なお、この件で日本での知名度が悪い意味でアップと思いきや、ちょうど来日しておりました「ダーク・シャドウ」のティム・バートン監督のおかげでSEO対策もばっちり、「バートン」と検索する限り2スクロールしないと関連記事にはたどり着きません。

 

 皆みなさま、本当にお疲れ様でした。

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QPRのジョーイ・バートンのツイートが、全く反省してない感じで面白い

 こないだの記事で、マンCとQPRの試合における「神々の競演」としてジョーイ・バートンを取り上げましたが、その後日談です。

 見事な肘鉄とモモカンで退場+来季の数試合欠場を確定させる荒業を成し遂げたジョーイ・バートン神ですが、試合直後からバートンは積極的にツイートを更新しております。その内容が、実に反省の色がなくて大変素晴らしいと思います。以下、抄訳にて失礼いたします。ネイティブのツイートなので、省略表現等多く訳しミスあるかもですが脳内補完マイペンライでよろしくだぜ!

→抄訳:案の定のことだ。僕のやらかしで気分を害したすべての人達に謝るよ。これじゃ不十分だって思うかもしれないが、好きにしてくれ。人生は短いんだ。


→抄訳:ピッチの上では、ヒートアップしてバトルが起こることもよくあることさ。毎回そうしようと思ってるわけじゃないよ

雑感:えー、これらのツイート時間は現地時間なので、試合が終わった17時直後のつぶやきであります。ドレッシングルームにブラックベリーの持ち込みは禁止されているはず(ひょっとして持ち込みはOKで操作がNGなのかもしれませんが)なので、いずれにせよ試合からとっくに意識が離れ、自責の念に苛まれているんだとは思いますが、基本的に申し訳ないとかそういう気持ちの伝わってくる感じが皆無でいいです!

社長の半生オレ反省 なでしこ社長編  

→抄訳:人生には素晴らしい面もある。オレだって見たことはあるからね、理解しなきゃいけない。いつもいつもそうじゃないとは思うけどさ……。

→雑感:えー、17:40のつぶやきでございますが、これはシティのセレモニーを見ながら呟いたんでしょうかね。まあ、そこには栄光とどん底のコントラストが見事に描かれておりました。落ち込むのも仕方がないと思います。問題は、別にバートンさんに肘打ちしてくれと誰かが頼んだわけではなく、テベスさんのアシストを豪快に叩き込んだ結果の果実(レッドカード)というわけですが。

→抄訳:今日はさ、友達と一緒に過ごすか、ずっとThe smithを聞いてるよ……

 そしてこれがいいです。

→抄訳:つまり、オレはThe Smithを聞くってことだよ!

→雑感:つまり、こんな状況に追い込まれ、かつ友達もおらず、1人寂しくThe Smithを聞くということなのでしょう。日本時間2012年05月15日17:50時点でバートンさんのツイートは更新されておらず、彼が試合の夜にどのように過ごしたのかはよくわかりません。本当にThe Smithを聞きながら過ごしていたんでしょう。


つ The Smith complete 

 ちなみに、この件で素晴らしいスパイスを聞かせたマリオ・バロテッリさんは現時点でtwitterを更新しておりませんが、バートンに一つマイペンライ的なreplyでもかましていただいて、がっつりと遺恨を植えつけたまま来シーズンも頑張っていただきたいと願わずにおれません。

→抄訳:みんなオレに言うんだ、「マリオ、ネイマールを見ろよ。なんであんなふうに得点できないんだ?」だからこう言ってやったさ、「ネイマールはダーツで180点も取れねえだろ?」。

>2011年3月28日 – 23:26 Echofonから

 来シーズンのプレミアリーグ開幕を心より楽しみにしております。

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マンC対QPR ゴッドオブクズたちの競演に魂が震える

 マンチェスターC対クイーンズ・パーク・レンジャーズは、ご承知のようにロスタイムに2点を奪ったマンCが劇的な逆転勝利。同時刻に勝利していたマンUの希望を打ち砕き、44年ぶりのリーグ制覇を果たしました。

 で、まあ試合そのものもスリリングだったのですが、広島サポとしては所詮天上人の競演でしかなく、神々にもどうしようもないアレスとかアフロディーテとかがいるのと同様、世界トップレベルの試合でもカルロス・テベス神、ジョーイ・バートン神、そしてマリオ・バロテッリ神というゴッドオブクズの皆さんがその資質を遺憾なく発揮したことに震えが止まらない次第であります。

 所用あって後半からの観戦になったのですが、テレビを付けた瞬間にまずはQPRのジョーイ・バートン神がマンCのカルロス・テベス神に肘打ちをかまし一発退場。10:48ぐらいのことです。

 

 素晴らしいのは、マンCのキングオブクズ、UEFACLの途中出場を拒否したりマンチョへの謝罪を拒否しアルゼンチンに無断帰国したりというテベス神を殴ったのが、元マンCでチーム批判かましたりチームメートのダボを殴って移籍したり暴行事件起こして刑務所に入ったりのナイスクズであるバートン神であったことです。

 上記映像には一瞬しか映ってませんが、ある意味当然というかテベス神もバートン神に怠りなくちょっかいを出しており、試合に勝ったバートン神と勝負に勝ったテベス神、肉を切らせて骨を断つアルゼンチン仕込みのクズプレーが光ったシーンです。

 収まらないバートン神、退場する間際に11:30あたりでさらにセルヒオ・アグエロ君に膝蹴りをかまして1翻アップという手練の技を見せてくれています。11:25あたりです。
 
 

 死角から太ももに膝蹴りを入れる技、「ももち」「チャランボ」「はまぐり」「ももキャン」など多様な呼び方がございますが、果たしてバートン神の出生地であるマージーサイドではいかような呼ばれ方をしているのか、とにかく一撃で相手の選択肢を奪う必殺技であり、レッドカードを受け試合から外された時点での技ということである意味ストリートファイトの延長線であり、またぞろ訴訟ネタになるのではと想起されます。

 さらに宴もたけなわ、この日はベンチを保温していたマリオ・バロテッリ神、11:48あたりでどさくさに紛れてピッチ内に侵入、なんとかなだめられながらピッチを後にしようとするバートン神に近寄ると何事か声を掛けた様子。

 http://youtu.be/hsn9sMl_32k?t=11m49s
 
 このシーン、一瞬にしてバートン神の眼の色が変わったところから、それなりにクリティカルな、4レターワードに準ずる発言があったものと推察されます。バートン神は一瞬にして沸騰、制止を振りきってバロテッリ神にタイマンを挑みかかろうとします。何一つ生産性のない、100パーセント直搾りの悪意をここに見ます。水面に元気よく放り込まれたナトリウムがごとし、バロテッリ神の力技の賜物です。
 
 

 ぜったい真似しないでください!!!

 そういえばナトリウムで冷やされております「高速増殖炉もんじゅ」の名は文殊菩薩から取られたものですが、智慧を司る仏とは対極にあるような「なんでそうなった」的な存在となっております。これからもテベス、バートン、バロテッリの3神におかれましては、水とナトリウム的な関係性を保っていただき、ごく稀にJリーグでも行なわれるようなラフプレーがいかに次元の小さなものか、天上から示し続けていただきたいと切に願います。

 マンCの皆さま、優勝おめでとうございました。

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海外サイトで青山敏弘の超絶ロングシュートが絶賛された件

 試合結果なぞどうでもいい! ので久しぶりに海外サイトで広島のゴールが絶賛されているので紹介します。

 http://bit.ly/JtrIwp 
 

 JOEというアイルランドのサイトで、取り上げられております。要約すると「ベッカムとナイムのゴールを超え、少なくともスタンコビッチと肩を並べる」といったところ。

 実際、このゴールはスゴすぎますよ。ボールを奪い返した時点でゴールを見て、佐藤寿人を見るというのは褒めポイントではない、なぜならいつもやっているから。彼はそれぐらい常にゴールへの意識をしているし、佐藤寿人の動き出しをまっさきに見ている。
 
 

 むしろ、そこからシュートを打った決断をこそ褒めたいですね。青山はミドルシュートも良いものを持っているのに、そのポテンシャルから考えるとミドルレンジ・ロングレンジからの得点が少なかったです。新潟戦でもペナルティエリアやや外からGK東口を脅かすシュートを放ったりと、このところ得点への意識が高まっていた結果としてこのゴールが生まれたのだと見ます。

 にしても、とんでもない筋力ですよね。なんせハーフライン越えてないんですよ、自陣からのキックですよ? 推定63メートルの位置から、ノーバウンドでGKを軽々と越えていくシュートを蹴れるキッカーって今のJリーグに何人いるかってレベルです。シーズンベストゴールに選ばれてしかるべきゴールの一つだと思いますし、Jリーグ史上にも残るゴールだと思います。贔屓目抜きに。

 まあそんな試合は、負けたんだけどな!(どうでもいいんじゃねえのかよ) 試合レビューについてはtwitterで散々書いたのをまとめ直してアップ、でお茶を濁します。要約すると我慢と気合いが足りねえ、です(え?w
 
 ちなみに、JOEで上がっているスタンコビッチのゴールと、ベッカムとナイムのロングシュートも貼っときます。いずれもとんでもないです。ベッカムとナイムのゴールは1995年と97年(確か)なので、画質はご容赦。

■スタンコビッチ
 

■ベッカム
 

■ナイム
 

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あえて「先制されてから」を見たい、横浜FM戦(2012年05月12日 J1第11節広島 – 横浜FM プレビュー)

 ちょっと間あけたら、全然書かなくなるんですよねえ。。忙しかったってのもありますが、お久しぶりです。広島の試合は今シーズン、録画を含めてではありますが全試合見ています。新潟戦(0-1)も柏戦(5-2)も書きたいことはたくさんあるのですが、横浜FM戦がすぐそこなのでマージしていこうかなと思います。

 ええと、タイトルの件です。広島、非常に調子が良いと思いますが、ちょっと成績が極端になりつつあって気がかりではあります。どう極端かと申しますと、「先制したら圧勝」「守備がもろい相手には圧勝」「ガッツリ守られた相手に惜敗」この3パターンでだいたいの試合を整理でき、当てはまらないのは第二節清水戦(1-2)ぐらいかなという印象です。

 データ的にも、

 先制した6試合、前半終了時リードの4試合でいずれも勝率100パーセントです。まあ他チームの成績もまだバラけていて、FC東京や川崎、清水の勝率も高いんですけど、そして他チームのことはよくわからないんですけど、広島の場合は試合内容がダイレクトに結果に反映され「すぎている」という雑感なのですね。

 特に敗れた3試合のうち、鳥栖・新潟についてはDFラインから青山へのパスコース、および佐藤寿人へのクサビを徹底的に寸断され、外から迂回を狙ったところで悪い形でボールを失ってカウンターを食らったり、自分たちでリズムを崩したり、というパターンで敗れています。

 確かに鳥栖戦も新潟戦も決定機はあったんですけど、そしてそれを決めていれば確かに勝っていたと思うんですけど、広島はそこまで決定力の高いチームではない(佐藤寿人ですら、外す時は外しまくるので)わけで、1点を決めるまでのチャンスの数はもう少し多くないと心もとない。

 気になったのでデータ出してみましたが、広島の得点率は全チーム中5位でした。ただし、1位ベガルタとの差は約6パーセントあります。出典はもちろんJ公式サイト。
 

 広島が仮に得点率20パーセントを超えていた場合、広島の得点数は27点(プラス8点)でした。一概にどこかに振り分けることはできないとは思いますが、仙台との勝ち点差は4ですから、広島が首位に立っていた公算は高いといえるでしょう。

 そういう意味で、この横浜FM戦はいろいろ注目です。恐らく、広島がボールを持って横浜FMが守る時間が長い、つまり新潟戦や鳥栖戦に近い試合展開になる可能性が高い、したがって広島にとっては今シーズンに関してはいずれも落としている試合展開に近くなることが予想されます。

 ここをどう突破していけるか。もちろん先制点をとれれば、すんなり勝ってもらえるでしょう。しかし僕が見たいのは、むしろ先制されてからの反発力だったりします。

 反発力といえば柏戦の2-2同点からの3点追加があり、あれは非常に素晴らしかったですが、相手の守備がちょっとありえないほど混乱しまくってた(広島の攻撃が素晴らしかった点を差し引いても)部分があります。また、柏戦は先制した試合でした。「先制したら無類の強さ」というのは本当に素晴らしいので、ぜひとも「先制されても覆せる」ということを示してほしい。そういう意味で、横浜戦には注目しております。

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先制したチームの勝率は「全チーム」5割以上の件(2011年J1)

 新潟戦のプレビュー書きそびれたし、J’sGoalや公式携帯サイトに中野和也さんの仕事が上がってるので書く必要もなしなのでヒマネタをば。

 わかってる人にとってはごく当たり前のことだと思いますが、高度に戦術が発達した現代サッカーにおいて先制点の意味合いは非常に重要になってきました。

 広島に置き換えて考えます。例えば先制点を奪えば、広島はそこからある程度スペースをケアする方向に意識を置き、自陣ペナルティエリア付近にラインを下げ、ゾーンを低く保ち、ボールの奪いどころをセンターサークルからペナルティアークまでのあたりに置き、カウンターを狙いつつ、崩せないときは簡単にGK西川までバックパスを戻して組み直す、ということを「躊躇なく」やれます。

 この「躊躇なく」ってのが大事です。要するに、自分たちで狙いを持ってボールを回し、かつ「うまくいかないときはバックパス」で作り直せるわけですね。さらにバックパスを戻す際に、相手の前線が食いついてくる可能性も高いです。当然、相手はリードされているわけなので。そうなると、相手の兵站が伸びます。DFラインとFWの間の距離が空きます。

 するとどうなるかといえば、青山敏弘や森崎和幸(今日は出場停止)、高萩洋次郎といったパッサーが中盤で前を向ける可能性が高まるわけです。広島の戦略において、「バックパスに食いつかせる」というのはポイントの一つであり、川崎戦でもバックパスに食いついてきたFWをいなしたところから何本もチャンスを作っていました。さらに広島はバックラインの千葉和彦からも高い精度のボールが出るため、相手FWはある種「行かざるを得ない」部分があります。

 しかし広島が先制点を奪われるとどうなるかというと、まずバックパスを戻しても相手FWが食いついてきません。広島が何をやりたいかは全チームに知れ渡っており、DFラインに食いつくのはリードを奪われたか0-0の状況で良い。リードしている局面で、広島の対戦相手は無理をする必要がありません。

 逆に、広島は狭いところでの単独突破が得意な選手がいません。ミキッチにしても、スペースがないところをこじ開けるドリブルよりは、相手の裏にボールを蹴っておっかけるタイプです。広島は人数をかけてパスワークで崩していくため、必然的にカウンターを受けるリスクを冒してDFラインを上げざるを得ない。

 ここで、全チームの状況別勝敗を見てみましょう。
 


 

 
 上記データにはありませんが、清水戦(●1-2)、鳥栖戦(●0-1)、名古屋戦(△1-1)はいずれも先制された試合です。広島は今シーズン、先制された試合でまだ勝ちがありません。逆に、先制した5試合での勝率は100パーセントです。かなり極端なデータですね、まあ試合数がまだ少ないですが。もちろんチャンスは作れているのですが、広島にとっては先制点を奪われるよりも奪ったほうが圧倒的に有利、ということは言えると思います。

 で、ようやくタイトルの話になるわけですが、上記で紹介したデータのとおり今シーズンは全18チーム中実に14チームが、先制した試合で5割以上の成績を残しています。仙台、FC東京、G大阪、広島の勝率は100パーセント、まあG大阪は1試合なのでデータから除外するとしても3チームです。

 ちなみに気になって昨年のデータ調べたら、なんと全チームが先制点をとった試合での勝率5割を超えてるんですね。
 


 

 
 福岡、甲府、山形と降格したチームでさえ5割超えです。このデータから浮かび上がるのは、先制点を取られると「少なくとも」5割がた負ける、降格したチームの先制試合は少ない、つまり「先制点を取られるとやたら厳しい」ってことです。

 取ったら取り返せばいい、守備なんて考えなくてもいい的なサッカーがリーグ戦向きでないことは何となくわかっていましたが、改めてデータを見ると、守備をおろそかにすると結果が出にくいことが改めてわかり勉強になりました。

 ということで我が広島、3日の新潟戦ではぜひとも先制点をきっちり取って試合を優位に進めてほしいものです。

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忘れられない、かつ速やかに忘れるべき勝利[2012年04月28日 第8節川崎F 1-4 広島雑感]

 人生は常に二律背反でございますのことよ奥様!
 
 ってことでこの試合に関する感想はタイトルのとおりです。12年ぶりに、等々力陸上競技場で川崎フロンターレを下しました。それも4-1という圧勝で。こんな素晴らしい日はありません。正直この日はあまり体調がよくなくて、チケットは買ったもののギリギリまで生観戦かテレビ観戦かを迷っていましたが、押し切って生観戦にして大正解でした。

 サンフレッチェが誇らしかった。山岸智の見たこともないような左足グラウンダーのシュート、佐藤寿人の飛び出し、石原直樹の献身、高萩洋次郎のひらめき、ミキッチの無慈悲なまでの右サイド制圧、千葉和彦の高速クサビ、西川周作の鬼セーブ、青山敏弘の鬼サイドチェンジ連発、森崎和幸の知的すぎるインターセプト、暴れる鶏を絞めるような水本裕貴のカバーリング、森脇の備後ルーレット、もうあれこれが。

 特に、前節は顔でミドルを決めた男・森脇良太が今度は顔でルーレットを決めたということで、なぜか笑い声も交じるという素敵なプレーになっております。

 川崎に、どれだけ煮え湯を飲まされてきたか。川崎戦の前には「ここで負けても落ち込むべきではない、いかに切り替えるか」とか予防線を個人的に張ってきたり、寝る前にジュニーニョやヴィトール・ジュニオール、チョンテセの顔を思い出して軽く戦慄したり、0-7で蹴散らされたり、おもしろ退場で森脇やミキッチがいなくなったり、イーブンの試合だったのにカウンター3発で沈められたり……。

 工夫して弱者なりの戦術を組み立てても、中村憲剛に操られた猛禽類たちにチカラでねじ伏せられるのが川崎戦の常でした。まさか、こちらがチャンスの数でもシュート数でも(http://www.tbs.co.jp/supers/game/20120428_12167.html)実際の得点差でも圧倒して勝つなんて、なかなか信じられない光景でした。2012年4月28日は、サンフレッチェ広島の歴史に刻まれる一日となるでしょう。個人的にも忘れられない試合です。

 で、同時に可及的速やかに忘れるべき試合でもあると思います。ustreamでもいろいろ喋ったんですけど、なんせ風間八宏監督就任後4日目ということで、まあいろいろアレでした。喋った内容をもう一度書くのって若干億劫ですが(笑)、かいつまんで書くと、風間監督はまず「攻撃」から手をつけてきました。停滞したチームを立て直すのはまず守備から、セオリーとは真逆といえば真逆です。

 稲本潤一をCBに、左サイドバックに田中雄大、右サイドバックに伊藤宏樹、ボランチには中村憲剛を起用し田中裕介をやや前目に配置、1トップに矢島卓郎、3シャドー気味に楠神順平、山瀬功治、小林悠を並べポジションチェンジを多用した攻撃をやってきました。広島にとっては、この3シャドーの出入りを前半はなかなか捕まえきれず、また彼らの狭いスペースに入る動き、もらい方、足元の技術も高かったため、バイタルにやすやすと侵入されてヒヤリハット事例を何度も作られました。

 このあたり、風間八宏サッカーの色が早速出たのかなという気がします。攻撃に関して、川崎はこのサッカーを突き詰めていけば(得点という)結果は出てくるのではないでしょうか。実際、狭いスペースで生きる選手(楠神、山瀬)、裏を突ける選手(小林)、身体を張れる1トップ(矢島)、彼らを操る中村憲剛が2.5列目にいるというのは、バランスもいいしかなり捕まえにくい布陣です。前半に関してのみですが、1失点目のように完全に崩されたシーンというのは今季あまり記憶にありません。それほど川崎の攻撃のクオリティは高かったと思います。

 が、それらの可能性を帳消しにするほど守備がアレで。まあ4日目でしかも「攻撃」に手を付けた分、しわ寄せがどこに来るかといえば守備になるわけですが、広島の1点目のように右サイドバックが中に絞った際に誰が山岸を見るのか整理されていなかったり、2点目のようにカウンターのリスクヘッジができず高萩を完全にフリーにし、2対2となり、石原直樹のダイアゴナルランに稲本が全く対応できずに振り切られたり。
 
 3点目のようにボールサイドに寄りすぎて大外のミキッチを完全にフリーにしたり、そのミキッチのクロスに飛び込む佐藤寿人に稲本が完全に振り切られたり、4点目のように青山のサイドチェンジに対して全くケアする選手がおらず森脇をフリーにしたり、そこからのファン・ソッコのクロスに対してまたしても稲本が振り切られたり、まあ上記の登場回数かつ佐藤寿人のコメントからも明らかなように稲本CBは佐藤・石原にとって格好の標的になっておりました。また、左サイド田中雄に関してはミキッチにボロ雑巾のようにされていました。

 一応書きますと、サッカーはチームスポーツですから、稲本や田中雄のプレーに問題があったことは事実としても、そこに至るまでの経緯にはもっと問題があったように思います。広島に関してはとにかくスペースがあるとき、そこに入り込む選手、突破する選手、FWをうまく使う選手が揃っています。川崎はあの時点でプランBがないというか、風間監督のコメントのようにボールを持って攻める以外のことは本当に何も整理されていない印象を受けました。

 しかし、ああした守備のままでは別に広島だけでなく多くのチームの標的になりますし、川崎の選手たちもバカではないのでリスクヘッジをきちんと取ると思いますので、つまりあれほど混乱した状態の川崎はもうないのでは、と思います。じゃあこれ以降風間監督の元でチームが強くなっていくか、それは確言できませんが。なんせ練習も見てませんし、この大敗でチーム内の雰囲気がどうなるかもわかりませんし。

 お読みいただいて「川崎の話ばかりじゃん」と思われるでしょうが、まあそういうことです。広島が得た結果、プレーの質は本当に素晴らしかったですが、ここまで守備が混乱した相手に4得点というのは少ないですし、実際あと4点は取れるチャンスがあったと思います。8点を取れば得失点差も大きく有利になり、川崎に苦手意識を植え付けることもできたはずであり、一方でこのような試合が今後は起こり得ないであろうと考えれば「忘れられない、かつ速やかに忘れるべき勝利」というのが妥当なところではないかと愚考する次第です。

 ええ、上記のような冷め切った意見は、試合後のアウエーサポーター席やUstreamでさんざん熱く語ったからこそでございますことよ。嬉しくないわけがないじゃないか!(笑)。

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そろそろ野津田とプロ契約すべきじゃないすかね&風間八宏雑感[2012年04月28日 第8節川崎F - 広島プレビュー]

 風邪かと思ったら低気圧の影響で、とても頭が痛いのです。まさにこれの通りって感じですが、今日締め切りの仕事もとりあえずは終わったのでプレビュー的な記事をば。

 http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00136451.html

 江藤高志さんによる川崎視点からのプレビュー。「相手がどうこうという事ではなく、自分たちがどうするのか」って、なんだか埼玉方面に赴いたあの方を思い出しますね。とはいえ、ミシャのサッカーにせよ「世界的に大流行していた4バックをどう攻略するか」という視点から練りこまれまくったもので、決してただ奇をてらったものではありません。

 同様に、風間八宏氏のサッカーに関する知見は「すぽると」などを見ても明らかですし、それ以前に我々は(若い人は知らないかもしれないですが)1994年のJ1サントリーシリーズにおけるステージ優勝で彼をキャプテンに仰いだわけです。いろいろな情報が流れていますが、それらの方法論はすべて「勝つため」「チームを成長させるため」に行われているものであり、成否とは別に風間八宏の知力が低いと考えるのは危険でしょう。

 確かに、サッカーはそんな簡単なスポーツではありません。就任からたった4日で、本質的な変化が起こるわけではないでしょう。一方で、川崎の選手たちが相馬直樹前監督によってある種抑圧されていたり、本来の力量を発揮できなかった部分が「解放される」ことは十分ありえます。ジュニーニョやチョン・テセ、ヴィトール・ジュニオールはいませんが、中村憲剛もレナトも矢島卓郎も警戒すべきアタッカーですし、広島戦でやたら活躍する恩返し系MF田坂祐介も出場するでしょう。

 でもまあ、広島はここで勝たないと正直辛いです。リーグ戦2試合未勝利、ナビスコカップ含めると3試合未勝利、1分け2敗、得点1失点3。やたら地味な数字で、サッカーにおける1失点は許容範囲と考えると、やはり決定力の問題は徐々に明確化されてきたといえましょう。とはいえ、試合内容を見ても、名古屋戦のような苦しい試合だろうと、鳥栖戦のようにガチガチに守られた試合でも、ナビスコ川崎戦でも、チャンスの数自体は作れているわけですよね。

 であるからして、よく言われる「決定力」はまさに現状の広島において適用可能な文言であり、広島の目下の課題は「佐藤寿人以外の選手が決めること」です。そしてその一点において、現状のスタメンである高萩洋次郎、大崎淳矢、サブの石原直樹、平繁龍一は誰も合格点に達していません。逆に言えば、「(継続的に)点を取りさえすればいい」ともいえ、もちろん困難ではありますがシンプルな課題が課せられているなと思います。

 個人的には、そろそろ野津田岳人のプレーが観たいですね。高萩のミドルサードまでの動きには何ら不満がないのですけど、アタッキングサードにおいては上記の通り課題があります。野津田には、良い意味でプレッシャーが何もなく、技術的にもその壁を超えてこれる可能性を感じています。

 また、一刻も早く野津田とプロ契約を締結すべきと思います。神戸ユースの岩波拓也がPSVから獲得の打診という記事がありまして、 当然ながら野津田が目をつけられた場合、広島にはトレーニング費用が渡されて終わりです。某柏木や某槙野のようなゼロ円ではないにせよ、彼の才能を思えばスズメの涙でしょう。
 
 若い選手に長期契約というのは、選手の意思という部分含めて難しいケースがあります。とはいえ、野津田の才能は疑いないと思いますし、かけるべきコストかなと思うので。まあ財政的に、いくら用意できるかって部分もありますけどねー。。。

 多少脱線しましたが、そんな感じで雑感でした。ちなみに、試合当日の夜にサポ仲間と適当に川崎戦振り返りのustラジオをやる予定です。twitterをフォローしていただければURLが流れてきますので、ご興味ある方はフォローしていただければ幸いです。

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【小ネタ】柏木陽介が広島に復帰していた件

 いや皆さま本当にお疲れ様です。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120425-00000077-mai-socc
 

 別にね、このネタで笑いが取れるかっつーと「ハハッ(乾)」てなもんです。ないない。こんな単純な誤植についてね、面白いと思ってるのかネチネチと取り上げ「いつ復帰したんでしょう? 知りませんでしたねえ(ドヤァァァ」とする記事を散見しますが、はがねのつるぎを手に入れたのにアリアハンの近くでスライム退治に勤しむがごときチマチマしさを感じます。男として、モノノフとして、やはり仮想敵は大きく持ちたいところでございます。

 というところまでがネタフリで、話を続けますと、浦和がペトロビッチ(ゼリコ)と契約し続けていれば、あるいは柏木も戻ってくる可能性があったかもしれません。が、その状態ってまあ言うたら都落ちでございまして、そういう選手が戻ってきても別に嬉しくないので浦和で輝いて浦和に骨をうずめていただきたいと、某槙野さんと並んで思うわけでございます。

 以下、完全に脱線なのですが、槙野騒動の渦中で僕が意識して書かなかったことがございます。「いつかまた広島に戻ってきてほしい」です。

 http://news.livedoor.com/article/detail/6186300/
>この手の移籍では「今シーズン結果を出せば認められるかもしれない」的なことを書くのが常なのだが、彼が広島サポに再び認められる日が来るのか、僕には何ともいえない。ご健勝をお祈りする、というほかない。

 これが言いたいことのすべてで、槙野は浦和で結果を出すことで「浦和サポに認められ、浦和の一員として頑張ってほしい」ということです。同様に、柏木にも同じ事を思っています。浦和戦後、槙野がゴール裏まで頭を下げに来たことは「なかなかできないことだ」と評価している一方、それを理由として広島サポが何か懐柔されるといいますか、「頭下げてるんだしいいじゃないか」というふうに考えるのは致命的な間違いだと思っているのです。

 なぜなら、それは浦和サポに非常に失礼だからです。彼らは「いずれ広島に帰る選手」を応援しているわけではなく、純粋に戦力として槙野を評価し、主力として認めれば「オレたちの槙野」として(実際に言ってますが)扱うわけです。契約形態がレンタル移籍であることは瑣末なことであり、

 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201204/2012041300763
>ケルンが監督解任=独サッカー
> サッカーのドイツ1部リーグ、ケルンは12日、ソルバッケン監督を解任したと発表した。ケルンはリーグ最多の63失点で、16位と低迷している。昨季途中に就任して1部残留を果たしたシェーファー前監督が復帰し、今季残り4試合の指揮を執る。(AFP時事)

 槙野を干していたソルバッケンが解任されたものの、そもそも槙野を引っ張ってきたフィンケもとっくにチームを去っており、まあなんというかフィンケさんにはブラブラしてるなら一つ日本でボランティアでもしていただいてそのカルマを少しでも落としていただきたいなと思わずにいれないわけですが。

 まあそれはともかく、槙野は浦和の選手であり、柏木も浦和の選手です。「かつて広島で活躍した選手」以上でも以下でもない、そういう扱いをせねばなりません。なぜかといえば、「戻ってきてほしい」と思うときは、まさしく彼らが広島にとって必要な選手となったタイミングであるべきだからです。

 現状、槙野智章のポジションには彼以上にディフェンスに優れる水本裕貴がおりますし、柏木陽介のポジションには彼以上に得点力が伸びる「可能性がある」大崎淳矢がおります。槙野の復帰は全く不要ですし、柏木についても使いどころはあるもののダブります。両選手とも、絶対に戻ってきてほしいかといえば微妙なのが現状です。両選手の現状とは別に、広島は戦略的な選手獲得、選手育成という創意工夫によって、どうにか彼らの穴を埋めているのが現状です。
 
 まあそういうことで、柏木陽介と槙野智章には引き続き浦和サポに認められ続ける活躍をし、ステージを上がっていただき、広島・織田強化部長が泣いて土下座して嗚咽し、織田さんのYシャツの首周りは汗でドロドロになり、室内の温度も湿度も良い具合に高まってきた頃合いを見計らって「まあ、考えといたるわ」「いまミスターレッズなんで」程度の軽さであしらっていただくことを願ってやみません。

 
 
 以上はすべて余談であり、何が言いたいかというと、ももクロ横浜アリーナを見て風邪引いたので名古屋戦のレビューを書くタイミングも時間もなくなったということです。ご清聴ありがとうございました。

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闘莉王さんの広島戦得点率は46パーセントの件[2012年04月21日 第7節 広島 - 名古屋プレビュー]

 名古屋と広島の対戦成績について、「GraTube」さんからデータ拝借。ホントは、Jリーグ公式ページでこういうの見られるようにしてほしいんですが、無理かなあ。

 ちなみにFIFA公式だと過去すべての国際Aマッチを時系列ごとに、対戦した国別で簡単に参照できるんですけどね(Associationsタブから国名を選択→Fixtures and results→Search)。予算の関係なんでしょうけれども、そういうデータを自由に使えるようにしてくれるとブログやソーシャルメディアでの議論の質が上がると思うんですけどね。

 で、こちらは名古屋側から見た戦績ですので、●と○は逆です。

 

 広島は14勝5分21敗と通算成績で負け越しており、ここ4試合で3連敗。そうか、そんな勝ってないのか。って、「名古屋戦そんなに苦しんだ印象ないんだが」と思ったら、僕個人はそういやこの3試合ろくに見てないんでした。唯一覚えているのが「2010/4/21 (水)4節」の1-0での勝利。かなり苦しい試合を耐えて、洋次郎か青山のロビングパスから寿人が抜けだし、楢崎正剛の股間を破って決めたシュートがありました。

 まあそれは僕個人の印象で、名古屋が難敵であることに今さら説明の必要もありません。なんつっても広島が最も苦手とする空中戦を得意とするチームであり、現代サッカーにおける得点の7割を占めるセットプレーでは非常に脅威です。元ウチにいた闘莉王さんが何か仰ってますが、

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/grampus/news/201204/CK2012042002000062.html

> その広島は、プロ入りから2年間所属した古巣。今季就任し4位と躍進させている森保一新監督とも、ともに汗を流した。「いいんじゃないすか、『ポイチ』が監督で。ペトロビッチ前監督のベースを継ごうとしている。うちはまだイマイチはまらない感じが嫌だな」と、チーム完成度の差を認めた。さらに絶好調のエースFW佐藤を警戒。「ああいうのは守りに入っても完全に抑えるのは難しい。1点取られてもこっちが2、3点取れれば」と、失点覚悟で打ち合う考えを明かした。

 いやいや、もっと油断していただけませんかね。。。なんせこの方、浦和時代も名古屋移籍後も、やたらウチから点を取るんですよね。。。2011年の第6節(●2-3)、浦和時代の2009年の第23節(○2-1)、2007年第14節(●1-4)、2006年第23節(●1-2)、2005年第17節(●0-2)、2004年第15節(●0-1)と。

 計算したら、ウチと闘莉王さんが対戦した13試合(出場停止あり)のうち、6試合で6ゴールを挙げているわけです。約46パーセント、まあざっくり「だいたい半分は点を取る」って感じですね。どんだけ広島に恩返ししたら気が済むんですかね、この方は。。。orz
 
 名古屋さんは18日にACL・天津泰達とのホームゲームを戦い0-0で引き分けているんですが、その試合に闘莉王さんは出場しておりません。左スネのケガのようで、大事をとったようです。で、そのときの記事がこちらで、

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/grampus/news/201204/CK2012041602000070.html
>ただ、闘莉王本人は「オレは出るつもりでいますよ」とやる気満々だ。「勝ちゃあいいんですよ。次でけっこう決まるでしょ」。確かに、勝てば1次リーグ突破に王手がかかる一戦。さらに格下相手にきっちり勝ち点3を積み重ねておけば、最大の難所である5月1日のアウェー城南戦(韓国)への重圧が軽減される。いずれにしろ、まずは痛めた左スネの早期回復が重要だ。 (宮崎厚志)

 っておっしゃってたのが、0-0の引き分けです。で、この記事のようになりますと。

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/grampus/news/201204/CK2012042002000062.html
> 「素人か!!」。快晴のピッチに、闘莉王の容赦ないダメ出しの声が響いた。天津戦の先発以外のメンバーで行われたハードな練習メニュー。前夜の内容が相当腹に据えかねていたのか、ミニゲームでミスをした味方への叱咤(しった)の声は、普段以上に厳しかった。

 ええ、ものすごくお怒りでらっしゃいます。その怒りをどこにぶつけるかっていうと、まあ普通に考えて土曜日の広島戦ですよねーーーですよねーーーー

 ってことで土曜日の試合は、名古屋はもちろんのこと田中(マ)さんに最大限の警戒をしたいところです。現状の広島だと、山岸智が復帰できれば水本裕貴が、できなければファン・ソッコがマーカーに付くのかなと思いますが、できれば水本にマークしてほしいですね。

 もっとも、向こうにはダニエルや増川といったセンターバックもいるし、ケネディが負傷中ですが永井謙佑が出場機会を得ているし、まあクソ強いですよ普通に考えて。できればナビスコカップの磐田戦に勝っておいて、鳥栖戦からの流れを払拭した状態で臨みたかったですが、まあこれは言っても詮なきことです。

 まあここまで書いといてあれですが、私は某ももクロのライブに行くので鳥栖戦に続いてリアルタイムで見られないというアレです。本当に申し訳ございませんでした。オレの予想では、オレの寿人がまたしても楢崎を破ってくれるはずなので、一つよろしくお願いいたします。

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2試合連続無得点、これをどう解釈するか?[2012年04月18日 磐田 1-0 広島 ナビスコカップ予選リーグ]

 バタバタし倒していて、ナビスコカップの契約を忘れていて物理的にも試合を見れないというね。。。なので試合レビューではありません。スコアと、サンフレッチェ広島携帯サイトの試合速報、および選手・監督コメントから試合内容を類推しつつ、さて土曜日の名古屋戦はどうしたもんかなと。

 http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00136026.html
>●森保一監督(広島):

>「試合を通して、この敗戦という結果を受けて、正直なところ受け入れ難い結果だと思います。前半から多くのチャンスを作っていましたし、最後のフィニッシュが決まっていれば前半で勝負を決めれた、という試合だったと思いますが、前半そこのところで決めきれず、後半もチャンスを作っていましたが、やはり決めるところで決めないとこういった結果になると思いました。ただ、選手たちは最後までハードワークしてくれましたし、我々らしい攻撃的なサッカーを今日も展開できたので、そこはしっかりと自信を持ってまた次につなげていきたいと思いますし、選手のことも評価していきたいと思います」

 いや、本当に。。。twitterでもハッシュタグ#sanfrecceを追っていると、ほぼ同じような感想が並んでいましたね。ただ、やはり敗れた鳥栖戦のコメントと比較すると、

 http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00135809.html(鳥栖戦)
>●森保一監督(広島):
>「試合を通して、鳥栖の硬いブロックをこじ開けることができず、1-0という敗戦に至ったと思います。ただ、攻撃に関しては、後半にビルドアップから持ち出して相手のブロックの中に侵入して、縦パスのコンビネーションあるいはサイドを使って攻撃をしたこと、チャンスを作ったこと。守備に関しては、セットプレーの流れから失点はしましたが、崩されての失点ではなく、また崩されたシーンもなかったと思うので、敗戦は悔しいですがブレずに攻守ともにチームとしてやるべきところをやっていきたいと思います。

 まあ、鳥栖戦に関しては試合を見ていたのでアレなのですが、鳥栖戦よりはチャンスを作れた試合だったのかなと思います。シュート本数を観ても磐田8本に対し広島は15本ですし、試合内容で上回ったけど得点できず、逆にスキを突かれて失点したと、まあそういう内容でほぼ間違い無いだろうと。

 正直、2試合連続無得点というのはイヤな気分です。とはいえ、予想できなかった事態ではありません。今年は既述のとおりディフェンスの強化に着手しており、その反面で李忠成・ムジリの移籍により相対的な得点力は落ちています。ここをどう着手するかというところで石原直樹を獲得したもののすぐに負傷、代替役以上のプレーを見せる大崎淳矢も実質今シーズンがJ1初シーズンなので(コンスタントに出場した初めての年、の意)、決定力の高い選手が佐藤寿人しかいない状況です。

 ここまでの状況は、ある意味で織り込み済み。ここをどうクリアしていくのかといえば、現状の最適解は「チャンスを多く作る」以外にありません。なんせ、少ないチャンスで得点できそうな選手が抜けている以上、そして決定力というものを「シュートの技術」と考えるならただちに劇的に高まる可能性は低いわけで。

 そういう意味で、鳥栖戦にせよ磐田戦にせよ、チャンスが作れているのであればそれほど悲観する必要もないのではないでしょうか。ナビスコカップも狙っているタイトルであるとはいえ、リーグ戦で2連敗したわけではないので、名古屋戦に向けてモチベーションとコンディションを整えてほしいところです。

 と、こんな月並みな感想では面白くないので、自分的には平繁龍一の奮起を期待します。2007年J1入れ替え戦、2008年J2序盤など、平繁が見せたゴールシーンは決して簡単なシュートではないものが多く見られました。それらのゴールは、ちょっとネット上には転がっていない(≒僕の検索能力が低い)ようで見当たらないのですが。

 この2012年ガンバ戦のゴールも、目の前にこぼれてきたボールをたまたま押し込んだように見えますが、ヘディングを放ったあともずっとボールを目で追っていたからこそ押し込めたものです。

 

 はっきりいってガンバのマークがゆるゆるになっているのですが、得点感覚をもった選手であることは間違いなく。前に張ってボールを受け、1タッチあるいは0タッチで得点をする選手で、シャドーよりは1トップ、2トップ向き。佐藤寿人という絶対的エースがいる広島ではなかなか出場機会を得られませんでした。ゆえにレンタル移籍で各チームを放浪したわけですが、どこも最初は結果を残すものの、持病の腰痛もあって尻すぼみ気味。今シーズン復帰できたことは、ポジティブな驚きではありました。

 今シーズンは石原直樹の加入、広島ユースの後輩・大崎淳矢の台頭もあって現状FWの3番手、高萩洋次郎を考えると4番手なのは致し方ない。ただ、現状のスタメンが思うような結果を残せていないのは事実なので、必ずチャンスは来ると思います。ナビスコカップでもJ1でもサブには定着しつつある、18人の枠には入っているので、森保一監督の評価は決して低くないです。もう少しだけ辛抱して、気持ちを保ち、出場のチャンスにすべてをぶつけていってほしいなと。

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「まずは鳥栖に喝采を」[2012年04月14日 第6節 鳥栖 1-0 広島 雑感]

 まずは「やらかした」ことのお詫びをw なんつってもこの記事ミキッチが不在かもってことを割と前提に作ってましたが、余裕でフル出場しておりましたねー。

 まあ実は記事を書いた30分ぐらいあとにサンフレッチェ広島携帯サイトを確認したら、木曜日の練習にもしっかり参加しており。オフィシャル情報と突き合わせてから書かなきゃなあ、と思いつつ、「まあこの記事読んで鳥栖関係者が迷うなら」グフフ とか少しそんな気分もありつつ、一般人のブログ読んで迷うスカウティングなんてクビだろボケがry ってことで。

 とはいえ、鳥栖についての「なかなか厳しい試合になる」という予想は悪い意味で当たりました。鳥栖戦、完全に負けました。

 森保一監督が試合後「なぜ待ち構えている相手のところに突っ込むんだ、回して取りにこさせればいいじゃないか(大意)」ということをおっしゃっていて、それは当然そうだと思うんですが、一方でこういう相手に対して自分たちから仕掛けてどこまで崩せるか、というところも突き詰めてほしいし、その結果負けたとはいえ得たものはあったかなと思いました。

 ■ ■ ■ ■ ■

 敗因ですが、まずは「鳥栖の戦いが素晴らしかった」が一番だと思いますね。負け惜しみでもなんでもなく、鳥栖は現段階のJ1で相当強いほうです。これまで対戦した浦和・清水・鹿島・FC東京・G大阪の中では、ハッキリいって一番強かったです。前節、名古屋に対して優勢に試合を進めたのはフロックではなかったでしょう。

 4-5-1のラインがきれいに3ラインを構成し、左SBに本来CBの韓国人DF呂成海を配置、10番のキム・ミヌも下がってきてミキッチをケア。両サイドのコーナーフラッグ近辺のスペースを使わせず、マイナスのクロスを上げさせず、広島の攻撃をひたすら限定してきました。

 とにかく、やることが徹底している。豊田陽平を森崎和幸にマンツーマンでつけ、トジンと水沼宏太らが青山敏弘へのパスコースを寸断。外から回させ、佐藤寿人へのクサビのボールに対しても小林久晃がラインコントロールを巧みに駆使してバイタルエリアを消し、藤田直之、岡本知剛がインターセプトを狙ったり、DFラインと挟み込んで奪ったり。

 で、奪ったら必ず豊田陽平に当てる。ボールを奪えるシーンもあったのですが、彼は身体が強いし足元もうまく、1秒、2秒と時間を稼げる。その間に、他の選手がサポートに入り、カウンターを発動させる。そのカウンターも、完全に帰陣した状態から長い距離を走り切る。そして最後は中途半端な形でなく、シュートまでつなげて終わる。カウンターの回数は少ないけど、シュートで終わる意識が高い。だからカウンター返しを食らわない、すなわち守備の安定にも資する。
 
 そしてセットプレーでは藤田のロングスローを駆使して、ファーポストに193センチのキム・クナンを置き、折り返して中を狙うことを徹底する。この試合では森脇が最初対応しましたが、途中からファン・ソッコがマークするようになっていましたね。つまり、この配置によってファンが外に釣り出されたってことでもあります。

 こういうチームは脅威です。僕は日本人同士って実はそこまで大差がない(代表トップクラスの香川真司や本田圭佑、長友佑都はともかく)と思っていて。それは「身体能力に大差がない、化物みたいなフィジカルを持ってる選手が少ない分意識付けや戦術でその差はだいぶ埋まる」というところで。

 実際、鳥栖の選手を1人1人見ていくと、個人で打開できる選手はそれほどおらず(キム・ミヌと豊田ぐらい)、そのかわりアップダウンを繰り返すフィジカル、焦れずに守り通すメンタル、チーム全体で「ここ」を抑えるタクティクス、それらが充実した結果広島を上回ったなあと思うので。

 鳥栖は、一言でいえば「北朝鮮代表みたいなチーム」です。2004年W杯予選で初めて日本と対戦した北朝鮮は、ホン・ヨンジョやキム・ヨンジュンといったテクニシャンを擁し、3ラインをきっちり保ち、攻撃となればワンタッチ・ツータッチで色気を見せずあっという間にゴール前へ迫る。ハードワークを厭わずチームプレーを徹底する、ある種軍隊的な、相手にすると非常にイヤなチームでした。

 鳥栖のユン・ジョンファン監督が作ったのは、そういうチームです。オシム時代のジェフ千葉に似てる部分もあるかもしれませんが、千葉ほどタレントがいるわけではないし、やり方もかなり違う。やはり、北朝鮮代表にイメージは重なります。

 主審の判定が不可解な部分ありましたが、まずは鳥栖のサッカーを賞賛すべきでしょう。それほど、このチームのひたむきさ、徹底ぶりは清々しい。どんな相手も倒せる可能性がある、今後大きな脅威になり得るチームだと思います。この日の勝利で、さらに自信を深めたでしょうしね。

 ■ ■ ■ ■ ■

 とはいえ、広島に勝つチャンスがまったくなかったかというとそうでもありません。決定機の数は明らかに広島が上回りました。まあ、先に得点した鳥栖が自陣へこもった、という部分はあるのですが、広島はいつもどおり攻撃時は青山敏弘を1ボランチに置き、両サイドが高くポジションを取る4-1-5的なフォーメーションでした。

 ただここで問題になったのは、まずは2シャドーのポジショニングでした。特に高萩洋次郎が、いつもに比べ佐藤寿人へのラインに近い位置取りを取り過ぎ、ただでさえ堅い鳥栖の中央に出しどころがなくなった。結果、両サイドのDFを中央に引き寄せることができず、サイドがなかなか空かなかった。

 71分に森崎浩司が高萩に変わって入りましたが、これは彼にとっては今季初の途中交代です。森崎浩司は今季初出場ということで「選択肢が生まれたから」ってこともありますが、全試合フル出場の高萩が下げられるほど彼は「らしくなかった」。

 一つは、鳥栖の守備がかなり荒削りで、身体にぶち当たってくるようなマークをしてきたこと、もうひとつはやや鳥栖寄りの判定に苛立っていたことが挙げられます。フラストレーションをため込み、副審に文句を言いまくり、「自分がやらなければ」と前がかりになり、冷静さを失った結果の交代。言うまでもなく、鳥栖のような相手には自制できなければ勝利などおぼつかないわけで、ちょっと残念でしたね。

 同じ事はミキッチにも言えましたが、彼は彼で2枚のマーカーに苛立ったものの、今季から武器にしているアーリークロスを何度も放り込んでチャンスの芽を作っていました。やはり、中でもう少しDFを引きつけてやれれば、決定機は増えただろうと思いました。

 森崎浩司が入り、意識的に佐藤寿人との距離感を取り、中盤と1トップとのリンクマンとして機能することで、DFラインからクサビを受ける選手が2人に増えた。その結果、それまで以上にサイドにボールが回るようになりました。こういうやり方を繰り返せば、鳥栖であろうと必ずスキは生まれるし、広島にはそのスキを突ける佐藤寿人という選手がいます。次回の対戦では、このあたりを修正していけば勝てるでしょう。

 ■ ■ ■ ■ ■
 
 もう一つの問題点は、単純なプレーの精度です。鳥栖ほど激しい守備、距離を詰める相手に対しては、やはりこれまでの相手よりもセンチ単位、ミリ単位での精度が要求される。上記の部分も「精度」に含まれるかもですが。切り返して逆足で上げたクロスが大きくズレたり、クサビのボールのスピードが緩かったり、そういうズレは一切許容してもらえませんでした。

 広島も鳥栖と同じく、個人で打開できる選手は少ない。ミキッチが縦に行ける選手ですが、スペースを消されると苦しい。その分パスの精度、スピード、ファーストタッチの精度、サポートの角度、ラストパスの質、それらをもっと厳密に突き詰めていく必要があるでしょう。

 ただ、これら2つの問題点は、ハッキリいって「収穫」です。鳥栖ほど厳しい守備を敷いてくる相手だからこそ、それらの問題点が浮き彫りになった。「もっと精度を上げないと、ワンランク上の守備には通じない」という意識付けができれば、広島のパスサッカーはもう一つ上に上がります。この敗戦がそのきっかけになれば、シーズンを通してみれば大きな収穫かなと。

 ■ ■ ■ ■ ■
 
 この試合ではセットプレーからの得点パターンができていたことを興味深く思いました。上記した鳥栖のやり方と同じく、ファーポストにファン・ソッコあるいは水本裕貴といったヘディングの強い選手を置き、中に折り返したり直接狙ったりして、こぼれ球を佐藤寿人や大崎淳矢が狙う。このハッキリとした狙いをもったセットプレーは、ミシャ時代にはなかったもので、森保一カラーだなと。

 実際、鳥栖戦でもファンが落としたボールを佐藤寿人が詰め、至近距離でGK赤星拓に弾かれたシーンなど、セットプレーから数回の決定機を作りました。これを徹底していけば必ず得点は生まれるし、広島の武器になるでしょう。

 セットプレーからの得点源という意味で、いずれ山岸智が復帰した際には森脇良太とファン・ソッコを天秤にかける試合も出てくるのかなと。もちろん現時点で森脇のほうが広島のDFとしては上ですが、ファンも試合ごとにフィットしているのを感じるので。

 とりあえずの雑感でした。失点シーンの分析などは、明日に気が向いたら(笑)。

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若手ウイングバック、分水嶺となる一戦か[2012年04月14日 第6節 鳥栖対広島 プレビュー]

 さて14日の鳥栖戦プレビューなんぞ書いてみますが、残念ながらリアルタイムでは見られそうにありません。情報をシャットアウトして、録画で楽しもうと思います。

 鳥栖戦、なかなか厳しい試合になるのではと予想しています。個人的に、広島の試合を見るのが精一杯で他チームの試合を見るのは厳しかったので鳥栖の試合は1試合も見ていません。ですがサンフレッチェ広島携帯サイトにおいても、寿人が「最も厳しい相手」とコメントしているとおり、決して侮れない、油断すると負けもありえる相手かなと。

 彼らはここまで戦績もさることながら、広島がかなり苦手にしている(戦績はともかく)高さ・強さを武器にする名古屋相手に良い試合をしているってところが気になります。

 http://mainichi.jp/area/saga/news/20120408ddlk41050242000c.html
>熱戦:J1サガン鳥栖 名古屋に手応え十分 0―1惜敗 PVに300人観戦 /佐賀
 http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001204070002
>サガン鳥栖、名古屋グランパスに惜敗

 http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001204120001
>サガン、あす広島戦/ベアスタ無敗続くか

 さらに、ユン・ジョンファン監督についてはこういう記事もあります。

 http://japanese.joins.com/article/877/149877.html?servcode=600&sectcode=610
日本の選手らは、穏やかに笑いながらハードな練習をさせる尹晶煥を「鬼」と呼ぶ。 尹晶煥は「私が若くて韓国人ということで甘く見ていたようだ。 最後まで折れずに説得した」と振り返った。 豊田は昨季、J2リーグで23得点し、鳥栖のJ1初昇格に最も大きく貢献した。 尹晶煥は「主軸選手を最後まで信頼し、その選手たちが全体をよく引っ張った」と評価した。

>鳥栖では、金民友(キム・ミンウ、22)、呂成海(ヨ・ソンヘ、25)、金根煥(キム・グンファン、26)ら外国人選手4人のうち3人が韓国人だ。 尹晶煥は「球団も韓国選手を望んでいる。 選手時代の私に対する評価が良かったようだ」と笑いながら話し、「韓国選手は私が目指すサッカーをするうえで大きな力になる」と語った。 ある日本人記者は「鳥栖は精神力とサイド突破を強調する韓国的な個性がある」と評価した。

 「監督と同国人の選手が3人いて」「勤勉に走り回り」「アタッカーに良い選手がいる」って時点でかなりイヤですね。プレッシングが早く、奪ったあとの切り替えも早そう。ものすごく能力が高い選手はいないんでしょうが、チームで襲い掛かってくるイメージです。

 で、広島はこういう相手には今季まだあたってないですね。広島は前節ガンバ戦を4-1で勝っており、戦績的にもかなり順調に見えますが、第1節の浦和はまだ監督就任後時間がなく、第2節の清水は割と自滅気味の敗戦、第3節の鹿島はやはり新監督のやり方が浸透せずチームとしてのバイオリズムも高まっていない。第4節のFC東京は相手にボールを回させて締めだし、第5節のガンバは監督交代まもない相手を突き放した。

 こうしてみると、チームの完成度という面で見ると清水か鳥栖かって印象です。上記のチームのメンツでは確かに強豪続きで、その相手に4勝1敗という数字は素晴らしいのですが、じつは「実質的に強いチーム、尻上がりのチームとの対戦はこれからでは」という感じもします。例えば昨年煮え湯を飲まされた柏、C大阪、それから名古屋、川崎といったチームとの対戦もまだです。

 さらに厳しい材料として、鳥栖戦にはガンバ戦で途中交代したミキッチが出場できない様子です。サポーターのブログによると、木曜日の練習でも別メニュー、ビブス組の両サイドには森脇良太と石川大徳が入っているとのこと。金曜日の練習を見て判断すると思いますが、仮にミキッチが出られないとなると広島のサイドアタックはどうしても破壊力が落ちると思います。

 もちろん石川大徳も素晴らしいアタッカーですし今季は好調と聞いているのですが、90分を通じてミキッチと同等のパフォーマンスを示せるかというとまだ厳しいと思います。彼に頑張ってほしい気持ちとは別に、戦力の低下は致し方ないかなと。石川どうこう以前に、ミキッチはそれほど広島を左右する選手だということです。

 広島のアウエーの戦い方は、ある程度リトリートし、ボール奪取の位置を低くし、奪ったあとに長いボールで佐藤寿人や大崎淳矢、斜めのボールでミキッチを走らせるのが定石です。広島のブロックは非常に固く、セットプレーの守備時のポジショニングもかなり改善されました。簡単に失点するシーンは想像できないですが、攻撃に転じた時にミキッチの不在が大きく響くのでは、という危惧はあります。

 森脇良太が左サイドに入ることで、つまり山岸智の不在による縦への推進力も気になりますが、ある程度引く展開になればむしろ森脇からのパス出し、ディフェンスでの貢献が高まると思うのでそこまで痛手ではないでしょう。

 ということで、ミキッチが出るかどうか、出られない場合は石川がどこまで穴を埋められるかがカギですかね。石川がめいっぱい飛ばして、途中で清水航平にスイッチするという方法もあると思います。若手ウイングバックの2人にとってはチャンスであり、またここで目覚しい働きを示せなければポジション奪取が遠のく局面でもあります。ある意味で、分水嶺となる一戦かもしれません。
 
 鳥栖戦は、その辺に注目して(録画を)見たいと思います。

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五輪にオーバーエイジが不要である理由:「FIFAとIOCの妥協の産物」

 http://www.tokyo-sports.co.jp/hamidashi.php?hid=19078
>原技術委員長はOA枠に否定的
>【サッカー】日本サッカー協会の原博実技術委員長(53)が注目発言をした。ロンドン五輪出場を決めたU 23日本代表では、本大会で24歳以上の選手を3人まで登録できるオーバーエージ(OA)枠を巡り賛否両論が吹き荒れる。関塚隆監督(51)は「これから考える」と慎重な姿勢を見せる中、強化責任者となる原委員長は日本代表MF遠藤保仁(32=G大阪)の選出をはじめ、OA枠に“否定的”な見解を示した。

> 原委員長はOA枠の活用可否について、困惑した表情で切り出した。「OA枠はね、簡単なテーマじゃないよ。本当に難しいんだよ。オレは、今まで本当の意味でOAがうまくいったパターンを見たことがないね。呼ぶならチームにいい効果を出す選手じゃないと」
(中略)
> 最終的にOA枠を活用するかどうかは、関塚監督の判断を待たないといけない。原委員長は「ま、現場次第ですけどね」と、あくまで個人的な見解であることを強調したが、消極的なのは明らか。強化部門トップの意向が各方面にも影響を与えそうだ。

 個人的には、この原さんの考え方に賛成ですね。そもそもオーバーエイジ枠(OA枠)というのはFIFAとIOCの政治的な綱引きにおける妥協の産物なわけです。年齢制限つきの大会の価値を認めず「全年齢を出してほしい」というIOCと、これ以上フルの大会が増えちゃ困るFIFAとで、一時はサッカーを五輪から引き上げるとかどーとかの話もあったはずです。↓このへん参照。

 http://bit.ly/pKYz5v
>FIFAは2009年3月に、選手の年齢制限を21歳以下に引き下げる方針を定め、同年6月のFIFA総会に諮ることを決定した[5]。IOCは収入が見込める競技の一つである男子サッカーに、世界的に著名な選手が多く出場することを希望し続けており、この年齢制限改訂に対しては五輪競技からの除外[6]や参加チーム数の削減[7]を持ち出して抵抗した。これに対しFIFAは2009年総会における議題から年齢制限変更案を取り下げ、代替案として「ワールドカップに出場経験のない選手であれば年齢に関わらず出場可能」とする、1980年モスクワ五輪と同様[8]の参加資格を提案した[9]。2009年12月のFIFA理事会では、2012年のロンドンオリンピックにおける男子サッカー競技は従来通りの「23歳以下+オーバーエイジ最大3人」で行うこととした。ロンドンオリンピックの次回大会の2016年のリオデジャネイロオリンピックについても、2010年6月のFIFA総会で、従来通りの「23歳以下+オーバーエイジ最大3人」で行うことを決定した[10]。

 そういうことなので、そもそもオーバーエイジというのはU-23世代にとってそのほうが有益であるとか、若手に良い影響を与えるからとか、そういう理由で設けられたものではないのです。

 まず基本的な知識として、五輪出場枠は18名しかいないわけです。現行の22名から4人は確実に減る。さらに日本の場合、香川真司や宮市亮、指宿洋史といった海外組もいるし、金崎夢生など国内でまだ機を伺う選手もいるし、米本拓司など負傷からの復帰組もいる。しかしオーバーエイジを入れると、これらの選手の経験値が1枠~3枠確実に減るわけです。

 確かにオーバーエイジの選手たちは完成されていますが、そういう選手を若いチームに入れることで人間関係がギクシャクする可能性もあるし、「予選を一緒に戦ってない奴に言われたくねーよ」って気分もあるかもしれないし、オーバーエイジには「選ばれなかった選手より圧倒的に上」ってのを示さないといけないし、もちろんスケジュールは過密化してその選手が負傷する可能性も高まるわけです。

 上記の部分はすべてメリットに反転する可能性もあり、つまり「オーバーエイジ中心にチームがまとまる」「圧倒的に上の選手が入り戦力的に高まる」ことも当然ありえるわけですが、博打的な要素が大きいです。

 2000年のフィリップ・トルシエ時代には成功しましたが、これは彼がフル代表を兼任し、フル代表と同じスキーム・同じグループでU-23を考えていた部分が大きいでしょう。楢崎正剛・三浦淳宏・森岡隆三といったフル代表でも主力の選手が、フル代表と同じ役割を与えられたことでスムーズにチームに入ったわけですね。

 しかし、現在の関塚隆監督とアルベルト・ザッケローニ監督との間に戦術的な共通点があるかというと、正直よくわからない気がします。関塚監督が選ばなかった宇佐美貴史、柴崎岳、久保裕也といった選手たちをフル代表に選んだということもあり(それが「フル代表を経験させるため」「戦力として考えていない」にせよ)、選出基準も違うでしょうし、五輪で活躍できたからといってフル代表に呼ばれるか割と微妙な感じだと思います。

 そういう状況でオーバーエイジを入れて、さらに若手の枠を減らすことに意義があるか、結果が出るかというと正直微妙かなってのが率直な感想ですね。「入れたら必ず結果が出る」なんてことは当然ないわけですが、見通しとして不透明すぎる方法論なので、それよりはU-23の枠の中で18名を必死に選び抜くべきですし、またチーム作りそのものもゼロベースで築きあげて本番に戦えるチームを作るほうが少なくとも18名の若手の経験値にはなるかと思います。

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広島期待の新戦力ファン・ソッコは、どこまで「使える」か?(増補:2012年04月07日 広島 4-1 G大阪 J1第5節レビュー)

 J1開幕し、正直ここまでサンフレッチェ広島が面白くなるとは思っていなかったため、しばらく広島サポモード全開で参ります。

 G大阪戦で初めてスタメン出場したU-23韓国代表DFファン・ソッコについて、一部では「森脇以上」「救世主」的な評価もあるようなので、それについては半分は同意で半分はまだ早いんじゃないか的な書き残しをしておくべくエントリーを起こさせていただく次第でございます。
 
 http://www.sanfrecce.co.jp/player/top/hwang_seokho.html

 えーと、プレーは誰が見てもわかるとおり、潜在能力はとんでもないものがあると思います。182センチの長身があり、バネがあり、一瞬でトップスピードに乗る加速力があり、1対1のディフェンスに強く、85分を過ぎても平然と相手ゴール前に攻め上がる体力があり、足元の技術もそこそこ高く、両足でも短いパスであれば精度の高いものを持っている選手です。

 織田強化部長が、獲得時にこういうコメントをしているのですが、

 http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00131197.html
>●織田強化部長
>「非常に身体能力が高くてハードな守備のできる、韓国人らしいDFというイメージを持っています。守備だけではなく、ビルドアップ能力の高い選手です。韓国の五輪代表候補でもありますし、韓国国内でも非常に将来を嘱望されている選手です。サンフレッチェでも早いうちにポジションを奪ってほしいなと期待を持っています。

 G大阪戦のソッコは、まさにそういう選手でした。ただ、ソッコの現時点での弱点は、大きく分けて2つあり、うち1つはその「恵まれた身体能力」にあるのではと考えています。

 端的に表現すると、ソッコのイメージは割とアフリカ人DFに近いですね。その心は、身体能力は抜群に高いが、戦術的な動きや技術はまだまだ荒削り、ということです。森脇良太を追い抜くポテンシャルはありますが、現時点でスタメンで起用されない理由もわかるかなと。

 例えばG大阪戦・前半の序盤、青山敏弘が与えたFKを森脇良太がクリアミス、そこからCKまでつながったシーン。遠藤のCKを西川がセービング、拾った倉田秋が遠藤へ、遠藤は再び倉田に戻す。倉田、ダイレクトでファーポストに入れると、そのボールを佐藤晃大がフリーでヘディング。GK西川周作の好反応で難を逃れましたが、かなり危ないシーンでした。

 このシーンでは、最初のボールが遠藤に渡る時点でソッコは首を振って佐藤を確認しているのですが、クロスが上がった瞬間には死角に入られ、ファーに上がったボールから目を離した瞬間に「あ、佐藤がフリーだ!」と気づき猛然と身体を寄せますが、間に合わずにフリーでヘッドされています。

 佐藤の動きも上手かったですし、ゴール内での人数を見るにラフィーニャに3人が付いている状況でバタついていたのですが、ファーに逃げる佐藤に気づいていたのに振り切られたのはちょっと残念。森崎和幸がソッコに対して両手を広げているのは、「何でフリーにさせてんだよ」ってことだと思います。

 もう一つ、これは失点に直結したシーンですが、後半2分にミキッチからのバックパスを受けたシーン。トラップの瞬間ちょっと身体が浮いていて、要はびっくりしてる感じなのですが、そこでプレスに来た相手(倉田?)に右足でボールをさらす形になり、詰められて奪われそうになったため、右にターンして左足でバックパスを戻します。

 しかしすでに相手2トップが前からプレスに来ており、西川に戻すことで瞬間的に局面で広島3:G大阪3の数的同数に陥りました。ラフィーニャに詰められた西川は右に開いた千葉にダイレクトで戻すのですが、そこに詰めてきたのは藤春。そして藤春をかわそうとした千葉が足を滑らせボールを奪われた瞬間、G大阪の3人に対し広島は森崎和幸と西川周作の2人になり、ゴール前で絶対的なピンチを作られ、失点したわけです。

 確かにこのシーンでの直接的なミスは千葉なのですが、そもそも相手が前がかりに来ている状況で安易なバックパスをすると味方を窮地に陥れるわけだし、そのバックパスも狙ったというよりは相手に出さされたという感じでした。

 こういう部分が、広島のDFとしてはまだまだですね。特に今年はセットプレーからの守備に力を入れており、ビルドアップはもちろん求められます。この危機察知能力とビルドアップが向上しない限りは、ソッコを入れると得点の可能性も高まるが失点の危険も高まる。リスクヘッジを考えるなら、森脇をスタメン起用するのが妥当ということになります。実際、そういう観点からソッコはスタメンで起用されないのだと思います。

 ちなみに上記の「大きく分けて2つ」のうちのもう1つは、言葉です。ソッコは日本語ができないばかりか英語もうまく使えないようで、ベンチには韓国語の通訳が入っています。連携がキモの森保サンフレッチェにとって「意思疎通が取りにくい」というのは結構な痛手で、相手が疲れてきた状態で爆発力を期待するならまだしも、スタメンとなるとまだリスクがあるのかなと。

 そんな感じで分析しています。もちろん、ソッコの潜在能力は大きく評価しており、今年中にスタメンを奪取してくれることを期待しています。彼がスタメンを取るなら、G大阪戦のように森脇良太がサイド起用され新境地を開拓するかもしれないし、いろいろなところで競争が激化しポジティブな効果を生むと思うので。

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この世で最も優れた、佐藤寿人・J1通算100ゴール記念レビュー

 ここで読め!!!!!
 
 http://www.sanfrecce.co.jp/community/mobile/

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台頭し続ける若手が引き寄せた勝利(増補:2012年04月07日 広島 4-1 G大阪 J1第5節レビュー)

 先に書いておくと、この記事は“ミシャ”ミハイロ・ペトロビッチの功績を貶めるものでは一切ありません。ミシャに課せられていたのは、「若手を育成しながら」「攻撃サッカーで」「結果を残す」という非常に困難なミッションであり、そうした状況を踏まえて彼は最善に近い仕事をしてくれました。

 今年の森保一監督には、少なくとも「結果を残す」部分に関してそれほどプレッシャーはありません。いや、もちろん残さねばならないのですが、「奪取」というスローガンで挑んだ2011年と比較すると、今年は99パーセント減資などあってスリムな財務状況となり、お金をかけた補強はなし。

 補強はゼロ円移籍で石原直樹、千葉和彦をピンポイントで獲得したのみ。底上げは若手の成長に託され、スローガンは「団結」。いわば、苦しい状況であることは織り込み済みといえます。ある意味で、2012年はミシャが就任した2006年6月と状況は同じ。

 2006年当時、小野剛監督の解任を受けて新任したミシャは、サブの当落線場にあった柏木陽介、サテライトで燻っていた青山敏弘をスタメンに大抜擢。フォーメーションを4バックから3-5ー2の1ボランチに変えるなど、大胆な改革を進めました。

 2007年にJ2落ちしたものの、彼自身も学んで修正点を加え(ここは結構重要、浦和サポ向けにそのうち書くかも)、2ボランチにして3-6-1にシステムを修正。槙野智章、森脇良太を3CBに起用するなど若返りをさらに進め、2008年のJ2で勝ち点100を獲得、2009年は4位に入るなど大躍進をしたのはご存知のとおりです。

 今回のケースは「ミシャの弱点を補強する」という点で、ある意味では改革しやすい、若手の抜擢をしやすい面がありました。以上のような前提を踏まえて、なお森保一監督が取り組み、結果を残しつつあることは素晴らしいこと。以下、整理して行きましょう。


■1:守備組織は破綻せず

→G大阪戦でも、守備の組織はかなり安定していました。時間帯によってはややバタつくシーンもありましたが、例えば佐藤晃大に喫した失点は千葉が足を滑らせたからであり、その前のファン・ソッコのバックパスが不用意だったせいであり、つまり自滅。仮に寺田紳一のPKが決まっていたとしても、それはセットプレーです。組織が崩されたシーンというのは、なかったと思います。

 この堅い守備は、浦和戦・鹿島戦・FC東京戦いずれも発揮されたものでした。数字にも、その成果は徐々に現れています。左が去年、右が今年の数字です。

34試合49失点(失点率1.44)→5試合3失点(失点率0.6)
34試合被シュート数436(平均12.8本)→5試合被シュート数37本(平均7.4本)

 まだ5試合なので数字だけ見ても何とも言えませんが、試合内容を見ても相手に決定的な形を作られるシーン自体が少なく、数字と実感が一致します。

 これらの要因は、やはり攻から守に切り替わる際のファーストプレスの早さ、帰陣の早さ、千葉和彦を中心としたラインコントロール、抜擢された大崎淳矢を始めとする前線からの絶え間ないプレスにあります。これらは、すべてミシャ時代には未整備だったものです。

■2:全得点に若手が絡む

→G大阪戦において特徴的だったのは、すべての得点に森保一監督が抜擢した若手が絡んでいることです。

 うp主本人言うとおり若干厳しい画質ですがw そして1点目は映ってないのですが、佐藤寿人・大崎淳矢・青山敏弘の3人がG大阪のバックラインにプレスをかけ、大崎がプレッシャーをかけたことでパスミスを誘っています。

 2点目についても、青山の鋭いクサビを受けた高萩洋次郎からのスルーパスを、大崎が藤春の裏を取って受けたことでファウルを誘いました。

 3点目について、そのうちどこかに動画が上がると思うので記述だけしますと、FC東京戦と同じく自陣からのビルドアップです。千葉和彦から縦パスを受けたファン・ソッコが、自陣右サイドから長い距離をドリブル。対面する選手に一旦外に行くフェイクを入れると、右足でそのまま中にカットインします。

 ソッコのドリブルに対し、1トップの平繁との距離感を保ちながら並走、ソッコが切り込んだ瞬間にぐっと加速してエリアに侵入したのが石原直樹。その動きにソッコは迷わず石原に縦パス、受けた石原は間髪入れず左足インフロントでシュート。ポストに弾かれますが、こぼれ球を平繁が押し込みました。

 4点目についても、ファン・ソッコの縦パスを受けた石川がクロス、平繁がポストになって落として石原へ、石原は少しキープすると右サイドの石川へスルーパス、ペナルティエリア右やや深い位置から石川は「平繁を信用して、中を見ずに上げた」そうで、そのクロスに平繁が飛び込み、こぼれを押し込んで2ゴール目としました。

 まあ大崎以外の選手、ファン・ソッコ、石原、平繁はミシャ時代はいないかレンタル移籍中だったので「ミシャは抜擢しなかった」とは言えませんが、少なくとも李忠成という絶対的な存在が抜けた分、攻撃の選手はフタがとれたかのようにアピールを続け、次々と日替わりヒーローが生まれる要因となっています。

 つまり、若手が「練習でアピールすれば使われる」という状況を作り上げているわけですね。これも、特にミシャ最後の2シーズンに関してはなかった状況でした。

■3:失いかけた流れを引き戻した

→試合開始直後、こぼれ球の競り合いで青山が藤春に対するファウルを取られ、G大阪にFK。遠藤の蹴ったボールを森脇良太がクリアミス、あわやオウンゴールとなるところをGK西川周作がかきだしてCKに。このCKを遠藤が蹴り、いったんは西川が弾きだすものの、こぼれ球を拾われてファーポストに入れられると、佐藤晃大を完全にフリーにしてヘッド。マーカーのファン・ソッコが離していたことが要因ですが、こういう感じで広島は開始2分前後まで非常にばたついていました。

 しかし、ここで崩れないのが今年の広島。お互いに声を掛け合い、集中力を喚起しあって凌ぐと、パスカットから森崎和幸、高萩洋次郎とつないでカウンター。高萩からのスルーパスは一旦はカットされるものの、こぼれ球を大崎淳矢が詰めて奪い返し、最後は青山敏弘の左足ミドルまでつなげました。

 このシュートをきっかけに、広島は落ち着きを取り戻しました。その要因は、守から攻への切替えの早さ、絶え間ない前線守備。メンタル的にナイーブで、ややもするとこのシーンから崩れて10分~15分を無駄にする傾向のあったチーム(実際、清水戦はそこから失点)が、徐々に精神的な強さを見につけつつあります。

 それらの要因は、やはり困ったときに「戻る場所」があるってことかなと。

■総評

 まとめると、タイトルのようになります。1点目と2点目は大崎淳矢がお膳立てしたといっても過言ではないし、3点目と4点目はファン・ソッコや石川が絡み、最後は平繁が決めています。いずれの得点にも若手選手が絡んでいるということで、森保一監督は「若手を育成しながら」「攻撃サッカーで」「結果を残す」というミシャが達成しきれなかったミッションを、今のところは順調に消化しつつあるわけです。

 「攻撃」といっても「守備」とは不可分なわけですし、広島の守備はあくまで攻撃のために整えられたもの。FC東京の選手が「サッカーを放棄した」と言ったようですが、そうした批判は的はずれですし、実際この試合の3点目はFC東京戦と同様に自陣のビルドアップから決まっています。ミシャ時代から守備を整備したことで攻撃力も増す、というのは少し考えればロジカルなことです。

 もちろん、これで森保一体制がすべてバラ色かというとそういうことはありえません。G大阪は確実にこれからコンディションを上げてきますし、同様に調子の出ていない柏、名古屋、C大阪といったチームも台頭してくるでしょう。また、上位にいる仙台、磐田といったチームも強いです。広島はG大阪以外上記のチームとは対戦していず、思うように勝ちを重ねられなくなるケースもありえます。
 
 ただ、昨年と比べればそもそも「スタメン組」「サブ組」の概念が薄くなり、今日のように山岸智が欠場しても森脇良太をサイドに移してファン・ソッコが、ミキッチが走れなくなれば石川大徳が、佐藤寿人が痛んだら平繁龍一が出場し、それぞれ結果を残しているわけです。広島も現時点がベストってわけでは全くなく、シーズン終盤にはスタメンの顔ぶれが大きく入れ替わる可能性だってあるわけです。

 この「伸びしろがあり」「勝ち点を伸ばしている」という状況こそ、森保一監督の手腕の高さを示しているといえそうです。今後が非常に楽しみですね。

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「だいたい予想通り」な結果(2012年04月07日 広島 4-1 G大阪 J1第5節レビュー)

 試合のデータはこちらから。なお、佐藤寿人J1通算100得点については別にエントリーを設ける予定であります。

 で、タイトルですが、「PKストップした勢いで2点取って4-1で勝つ」展開はさすがに予想してません。が、プレビューで触れた部分のうちこんな感じで予想通りでした。

ということで、この試合はきっちり勝ち、広島に負けたことは偶然ではないと知らしめたいところです。が、今のG大阪は正直手強いと思っています。

 実際、2-1に追い上げられたあとの10分間はかなりキビしい展開でした。

一方で、出戻りのMF倉田秋やDF藤春廣輝、FW佐藤晃大など若手が育ってきており、全盛期ほどの強さに達するかは別として脅威であることに代わりはないと思います。

 やはり、全盛期ほどの圧倒的な強さはなかったものの、倉田にも藤春にも佐藤にもかなりイヤなプレーをされました。倉田には何度か左サイドで起点になられ、藤春にはその俊足でミキッチのスピードにかなり対応されましたし、佐藤には得点を許しました。アシストは藤春です。

一方で、こちらが先手を打てば話は違います。G大阪の中澤聡太と今野泰幸はともに空中戦に優れ足元もうまい選手ですが、裏へカバーするスピードはさほどありません。広島が先制し、相手が出てこざるを得ない状況を作れば、こちらが2点、3点と加点することは十分に考えられます。

 2-1の状態で西川周作がPKストップしてから広島は勢いを取り戻し、一方のG大阪も同点を狙ってラインを高くしたため、そこから2点を加点しましたよと。

 とはいえ別にプレビューがある程度当たったからどうとか、「ちったあ広島を脅威に思ったかどーだこの野郎」とか、そういうことを言いたいわけではないのです。正直、試合としては紙一重でした。最下位に沈む鹿島についても思いますが、G大阪はこのまま下位にいるチームではないと思います。

 上記のように藤春、佐藤、倉田と若手が出てきているし、とりわけ広島にとってはFW佐藤晃大の184センチの長身とそれに似合わぬスピード、85分過ぎても止まらない追い足、トップに張ってもサイドに流れても仕事のできることがかなり脅威でした。ビデオを見返しても彼の空中戦やポストプレーに相当苦しめられていますし、ラフィーニャが下がって彼が残ったのが、松波正信監督の信頼を示しているといえるでしょう。

 また、もちろん遠藤保仁という絶対的な選手がいますし、負傷が癒えればパウリーニョ、明神智和といった選手も控えている。昨年と比較して大きく戦力が落ちたとは思えず、2011年と同様にアウエーでの再戦でやり返される危険は十分にあります。それほど、今日のG大阪に広島は苦しめられました。

 とはいえ、広島が成長していることもまた間違いないです。試合には流れがあって、また相手が圧力をかけてくる時間帯もあるわけですが、広島は失いかけた流れを引き戻す力がありました。

 例えば前半の序盤ドタバタしてイヤな雰囲気が流れかけたところから、GK西川周作が落ち着いてボールをセットし、あえてゆっくりボールを蹴り、ポゼッションし、そこから縦に早く入れて青山敏弘のシュートに導いたシーン。

 あるいは後半、2-1に追い上げられてからのG大阪ペース。藤春、加地の両サイドを高くポジショニングさせてきたG大阪に対して、広島はサイドの藤春をミキッチが見て、サポートに入る倉田を高萩が見たことでかなりゾーンを押し下げられました。これに対し、藤春の裏のスペースに大崎淳矢(途中から石原直樹)を走らせ、裏を取り、徐々にラインを押し下げ、藤春の進出を抑えた。これで、徐々にペースをイーブンにした。時間にして55:00~65:00ぐらいのことでしょうか。

 もちろん2-0から2-1になったことで、相手の勢いが止まったわけではなく結果的にPKを与えてしまったわけですが、いいようにやられるのではなく押し返して五分に戻したという点が重要で、そこは5試合目にしてチームの積み上げている部分かなと。

 とりあえずの雑感として今日はここまで。明日は得点経過について、平繁龍一、ファン・ソッコ、左サイドを担当した森脇良太について、明日には更新されるだろう選手コメントを元に類推しながら書きたいと思います。

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「サッカーを廃らせるものは、暴力だけか?」読みたい・読まれるべきサッカー書籍(2012年04月07日)

 書評を書こうと思いつつ溜め込んでいる、またはこれから書く予定の書籍について紹介いたします。あくまで紹介であって、書評ではありませんのでご注意。


 

なぜ流通経済大学サッカー部はプロ選手を輩出し続けるのか?
 秋元大輔著・東邦出版刊

→同社・中林良輔氏から献本御礼。twitterでもかなり話題になっている、流通経済大学の中野雄二監督になんと3年間密着取材した秋元大輔氏渾身の一冊。

「最初この大学に来たときは驚きました。とても日本一を目指すなんて言えませんでした。部員は改造車に乗り、タバコを吸っていましたし、寮もない、コーチもいない、まともなグラウンドもない。練習に部員が全員集まらない。それくらい荒廃したサッカー部でした」

 これは中野雄二氏が同大学に就任した1998年のこと。この状態から、いったい何をどうやったら、わずか10年で50人以上のプロサッカー選手を輩出するようになったのか。個人的に今年はサッカー本の当たり年で、読み応えのある書籍が次々と刊行されている中、この一冊もその中に確実に入るだろうなと。

 まだ読んでいないのですが、まあ取材内容から考えて、そして著者の破天荒なキャラクターである一方極めて誠実な筆致から考えて、面白くないはずがないだろうと。どこかでタイミングを見つけて読み込んで、書評をかかせていただきたいと思います。

 それにしても、サッカー問わずドキュメンタリーものはだいたい売れないのが定説なのに、すでに5000部の増刷決定というのは非常に素晴らしい。清水英斗氏「サッカー観戦力が高まる」が3万部を超えるなど、東邦出版さんのサッカー本のイキの良さは異彩を放っています。





サッカービジネスの基礎知識―「Jリーグ」の経営戦略とマネジメント
 広瀬一郎著・東邦出版刊
 

→元電通/スポーツナビ創業者である広瀬一郎氏の、スポーツマネジメントに関わるキャリアを総括する一冊。Jリーグ創設の意義について重点的に語られており、特に創設前夜のやり取りに関して当時の関係者インタビューを交えた箇所はスリリングで読み応えがある。

「最初の10年で選手がプロになり、次の10年で監督がプロになった。
最後に残ったのは、経営者のプロ化問題だ
――岡田武史(本文より抜粋)

 ただこの書籍で語られていない部分も当然あって、それは「現在のJリーグのあり方」であったり、「Jリーグ事務局の20年の総括」であったりする。その部分について、広瀬氏はおそらく現場から離れていることもあって慎重であり、触れなかったのだろうと推測する。

 一方で、広瀬氏の観点から見てそれらの評価はいかなるものか、という書籍も読みたいが、難しいのだろうか。




サッカー選手の正しい売り方 移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ
 小澤一郎著・カンゼン刊

 
→著者から献本御礼。こちらもすでに話題になりきった感じがあるけれども、出色の書籍といえる。何が優れているかというと、やはりタブーを設けない筆致の鋭さと、薄っぺらい提言に留まらない綿密な取材にある。とりわけ「岡崎問題」に関して清水エスパルス・早川巌会長、FIFA公認エージェント・田邊伸明氏の両名に話を聞いている部分が素晴らしい。

実に半数以上の日本人選手が移籍金(違約金)0円で欧州のクラブに獲られている。
ただでさえ厳しいJリーグのクラブ経営という観点から見れば、大切な商品である選手がタダ同然(育成費は発生する場合がある)で移籍してしまうことはまさに死活問題となる。

なぜJクラブは相次ぐこの事態を阻止できないのか? クラブを救う手立てはないのか?

移籍市場は、したたかな者が勝つビジネスの「戦場」である。海千山千の欧州クラブと対等に移籍ビジネスを行い、Jクラブの利益を守るためには、まずは欧州のスタンダードを熟知し、「戦略」を立てなければならない。

 サッカージャーナリストである小澤氏が、クラブ経営というある面では畑違いの部分に言及をすることで「上から目線」を感じる人はいると思うし、実際にクラブ運営に携わっている人から見ると不快に思う部分もあるのかもしれない。

 しかし、上記の部分は明らかに現状のJクラブが抱えている課題であり、そこに対峙して解決していくアイデアは広くサッカー界から募るべきだろう。この書籍をきっかけに様々な議論が進んでいけば素晴らしいと思う。




サッカーが消える日 2030年、蹴音のない世界。
 カルロ カルザン著、沖山 ナオミ訳・東邦出版刊

→最後に、こちらはフィクション。「かつてサッカーというスポーツがあった。サッカー復活を願うジャーナリスト、アレックスの奮闘を描いた未来小説。」というコンセプト。読後の率直な感想として「2011年度ナンバーワン」と思ったが、なかなかそれ以外の書籍も素晴らしいので「10本の指に入る」という表現に留めたい。

2010年5月、世界中からサッカーが消えた。
20年間のサッカー空白時代を経て、2030年を生きるスポーツジャーナリストのアレックスは、
新聞の連載記事として「かつてのサッカー」を綴っていく。
彼の記事に惹かれて訪ねてきたサッカー好きの少年ジジは、
禁じられているサッカーの試合を開催する計画を嬉々として話すが、
「闇サッカー大会」とでも言うべき無謀なアイディアを、
好奇心と魅力とを感じながらもアレックスは咎める。
そんなことをすれば、いくら子供だろうと刑務所行きは免れない。
サッカーを甦らせたい、という気持ちは確かに持ちつつも、
サッカー禁止のきっかけのひとつともなったスタジアムでの暴動で息子を失ったという読者からの声に、
自分のしていることは正しいのか、と葛藤するアレックス。
そんななか、2030年5月21日、運命の試合開催日が迫る――。

 いったい、サッカーが永続的に続くなんて誰が保証できるのか? 「丸いものを蹴る」という行為が無くなることはありえないと思うが、オイルマネーがジャブジャブ注ぎ込まれ強化予算の多寡がほぼリーグ戦の趨勢を決めるような状況が続く中、「それ以外のファン」が現行のシステムに対して興味を失わない可能性がなぜゼロだといえるのか? そういう問題意識があったので、このフィクションには引っかかるものがあった。

 正直、プレミアリーグもスペインリーグもセリエAも、一時期と比べて興味を持って見ることはなくなった。確かにトップのレベルは高まったし、UEFAチャンピオンズリーグで上記リーグのチームが繰り広げる戦いはスリリングだ。

 一方で、プロビンチャのクラブ、あるいは育成型のクラブはほぼノーチャンスになった。端的に、アヤックス・アムステルダムの凋落が象徴的。世界中にネットワークを張り巡らせ有望な若手をかき集めることで、ACミランというメガ・クラブを打ち倒したアヤックスは、サンフレッチェ広島のような育成型クラブの理想形だった。

 ボスマン判決の施行後、それこそ草刈り場となったアヤックスに、当時の面影は見る影もない。もちろん現在のチームも必死で運営されているとは思うが、クラレンス・セードルフ、エドガー・ダビッツ、パトリック・クライファート、ヤリ・リトマネン、ミハエル・ライツィハーら10代後半~20代前半の若手が勢いを爆発させてCL優勝まで駆け上がる、そういう可能性はほぼゼロになった。
 
 本著のテーマは、暴力がきっかけとなってサッカーが廃止された世界であり、少なくとも世界のトップリーグでそうした問題は顕著ではなくなった。そういう意味でこの書籍は、やはりフィクションではある。しかし、サッカーを廃らせるものが暴力だけかというと、そうでもないだろうとは思う。

なぜ流通経済大学サッカー部はプロ選手を輩出し続けるのか?
 秋元大輔著・東邦出版刊

サッカービジネスの基礎知識―「Jリーグ」の経営戦略とマネジメント
 広瀬一郎著・東邦出版刊
 

サッカー選手の正しい売り方 移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ
 小澤一郎著・カンゼン刊

サッカーが消える日 2030年、蹴音のない世界。
 カルロ カルザン著、沖山 ナオミ訳・東邦出版刊

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「ま、ナメられても仕方がないよね」(2012年04月07日 第5節G大阪戦プレビュー)

 なんか広島のことを言われてますが、端的に事実関係が間違っているのでツッコミをば。

 http://news.livedoor.com/article/detail/6442186/
>選手は去年15得点挙げた李忠成がイングランドへ移籍し、服部や高柳、山崎など多くの主力が去りました。一方で主な補強は大宮から石原、新潟から千葉が加入した程度なので、特に得点力のダウンは避けられないと思います。

 李忠成の移籍は事実としても、服部・高柳・山崎は主力ではありません。服部公太は昨年の出場試合数17、山﨑雅人は8試合、高柳一誠にいたってはゼロです。なぜかというと、高柳は去年1年をリハビリで棒に振っているからです。
 
 むしろ、ここに名前の挙がっていないムジリの移籍のほうが、いざというときの得点力という部分では痛かったりします。が、ムジリにしてもサブだったわけで、純粋な主力の移籍という面では李忠成だけです。

 石原直樹の加入と大崎淳矢の成長、森脇良太の残留に千葉和彦、ファン・ソッコの加入を考えれば選手層は実は厚くなっていたりします。森崎浩司が体調不良、横竹翔が心房細動カテーテル手術の影響で戦線離脱していますが、彼らの不在をまったく感じさせず、去年33試合に出場した主力である中島浩司が完全にベンチに定着しています。

 こういうことはググればすぐにわかるわけですし、広島というチームを真剣に脅威に思っていれば丁寧に調べると思います。やはり、広島がナメられている、「まだ」そこまで脅威に思われていないことが要因だと思います。

 ただ、別にナメていることについて批判はしません。なぜなら、過去の対戦成績からみて、G大阪のサポが広島を脅威に感じる材料は乏しいからです。

 広島は、2001年から2011年まで実に10年間リーグ戦でG大阪相手の勝利がなかったりしました。去年4月24日にJ1再開初戦で広島ビッグアーチで対戦した時は、4-1で蹴散らしてやったわけですが、この時は明らかにG大阪の動きが悪かった。チームとして底の状態でした。で、6月26日に対戦した時は3-5と、5点を叩きこまれキッチリやり返されてます。

 残念ながら過去の対戦成績から見て、G大阪サポが広島を「くみしやすい相手」と考えるのはとりたててヘンな見方ではなく、そういう相手のことを細かく調べるわけがないよねって結論になります。

 ということで、この試合はきっちり勝ち、広島に負けたことは偶然ではないと知らしめたいところです。が、今のG大阪は正直手強いと思っています。セホーン体制で公式戦未勝利ということでサクッと強化部長ごと監督の首を切ったわけですが、こういう早い段階での監督交代には「シーズンまるまる残っている」というアドバンテージがあります。タイトル獲得等の中長期目標達成は別として、交代後の数試合は心理面でフレッシュになり、短期的な効果は考えられます。

 http://bit.ly/HUsbtO

 上記の予想先発を見るかぎり、中盤が高齢化ないし橋本のように移籍したことで入れ替わっており、全盛期ほどの強さはないと思います。一方で、出戻りのMF倉田秋やDF藤春廣輝、FW佐藤晃大など若手が育ってきており、全盛期ほどの強さに達するかは別として脅威であることに代わりはないと思います。また、西野朗監督と同レベルのチーム掌握力を示すのは誰にとっても困難ですが、ミスターガンバである松波正信氏のもとでチームはまとまりつつあるようで。

 http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00135420.html
>松波正信新監督就任初戦の新潟戦で引き分け、ACLでは3得点を奪って勝利。しっかりと中盤を支配して攻撃する本来の「G大阪スタイル」に回帰し、やるべきことが明確化されようとしている現状は、間違いなく上向き。開幕から受けた屈辱を跳ね返すべく勝利に飢えている状態をミキッチは「怪我をしたライオンがもっとも危険」と表現し、警戒を怠らないように訴えている。

 こういう相手に対しては、やはり早い時間帯で失点しないこと、得点が奪えなくても焦れずにプレーすること、今年のキーである攻から守への切り替えと帰陣を早くすることが重要かなと。また、相手には遠藤保仁という絶対的な存在はもちろん二川孝広というパサーがおり、トップにはラフィーニャという一発を持つフォワードがいます。

 広島にとって一番怖いのは、ある程度ラインを高くした状態で不用意な奪われ方をし、ショートカウンターから先制されることです。先制すればG大阪は勢いに乗るでしょうし、またアウエーということでそれほど無理をしないでしょう。先制されると、かなり厄介です。

 一方で、こちらが先手を打てば話は違います。G大阪の中澤聡太と今野泰幸はともに空中戦に優れ足元もうまい選手ですが、裏へカバーするスピードはさほどありません。広島が先制し、相手が出てこざるを得ない状況を作れば、こちらが2点、3点と加点することは十分に考えられます。

 ということで、いろんな意味で1点勝負になりそうだなと。どうなりますかね。勝ってくれれば大イバリでレビューをアップしますが、負けてしまえばシュンとなってコソコソと更新すると思いますw

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